ビジネスや組織における「創造性」、「イノベーション」、「ウェルビーイング」、そして、これらの土台となる物事の見方「概念」を研究の主要なテーマとしています。私の学問分野としては「計算社会科学 Computational Social Science」、経営学という分野に位置付けられます。
本研究室では、ビジネスや組織に関わるデータ、つまり、人や集団の行動や心理状態、パフォーマンスについて扱うことが多いです。人を対象とした介入実験の実施、アンケート調査、ウィキペディアやSNSなどの自然言語処理、意思決定の計算論的モデルなど、様々な研究手法を扱います。ときに、協力企業とともに実験を行うこともあります。2024年度は野村不動産株式会社とともに、オフィスの環境変化と社員のパフォーマンスに関わる研究を行いました。
研究例)
以下の書籍を読んで興味を持つ方は永山研究室と親和性があると思います。
これからゼミのメンバーの皆様とともにつくりあげていきたいと思います。目標設定の一つとして、卒業論文あるいは修士論文を国際学術ジャーナルに投稿することが挙げられますが、みなさまの意見を聞きながら柔軟に対応したいと考えています。
ゼミでは、まずは基本的な知識を得るために論文や書籍の輪読を行い、その後研究計画を立て、研究成果発表に向けて準備するという流れとなります。企業との共同研究を行う場合は、ヒアリングやフィールドワークが必要になる場合もあります。
研究成果の発表は卒業論文という形だけでなく、学外にも発表したいと考えています。その一つとして、毎年12月に行われる経営系の合同ゼミ発表会(早稲田大学、慶應大学、中央大学、立教大学、学習院大学など)に参加する予定です。
永山研究室は、多種多様な知識を組み合わせて、価値ある問いを明らかにしていきます。分野横断的に幅広い知識に触れる好奇心と実験実施やデータ分析という地道な作業を厭わない双方のマインドがある方が適しているように思います。他方、ソーシャル・データサイエンス学部の中では、数学的知識の必要性が相対的に低めかもしれません(もちろん不要というわけではないです)。なお、指導教員は音楽が好きなので、音楽好きは是非ディスカッションしましょう。
ちょっとでも気になる方はお気軽にご連絡ください。zoomなどで面談可能です。
<連絡先>
s.nagayama [at] r.hit-u.ac.jp
〒186-8601
東京都国立市中2-1
※大学院進学希望の方もお気軽にご連絡ください(入試願書提出期間に入るまでは相談可能)。
現役メンバー
原田 知幸 M1
2024年度修了
野崎 勇真 M2(生成AI要約の導入が専門家のニュースコメントに与える影響:感情、専門知識、経験談、予測の次元からみた質的変化)
髙橋 颯 M2(柔軟な環境が従業員の先延ばし行動に与える影響:フィールド実験と意思決定実験による解明。準研究科長賞)
計算社会科学
アレックス・ペントランド(2015)『ソーシャル物理学』草思社(Amazon)
鳥海不二夫編著(2021)『計算社会科学入門』丸善出版(Amazon)
マシュー・サルガニック(2019)『ビット・バイ・ビット』有斐閣(Amazon)
アルバート・ラズロ ・バラバシ(2019)『ザ・フォーミュラ』光文社(Amazon)
創造性、イノベーション、ウェルビーイング
アダム・グラント(2016)『ORIGINALS 誰もが「人と違うこと」ができる時代』三笠書房(Amazon)
デビッド・バーカス(2014)『どうしてあの人はクリエイティブなのか?』BNN新社(Amazon)
清水洋(2019)『野生化するイノベーション』新潮社(Amazon)
伊神満(2018)『「イノベーターのジレンマ」の経済学的解明』日経BP(Amazon)
ラファエル・カルヴォ & ドリアン・ピーターズ (2017)『ウェルビーイングの設計論』(Amazon)
Layard, R., & De Neve, J.-E. (2023). Wellbeing: Science and Policy (1st ed.). Cambridge University Press (Open Access)
神経科学・認知心理学
トーマス・パー, ジョバンニ・ペッツーロ, & カール・フリストン (2022)『能動的推論』ミネルヴァ書房(Amazon)
乾敏郎、阪口豊『脳の大統一理論』岩波書店(Amazon)
リサ・フェルドマン・バレット(2019)『情動はこうしてつくられる―脳の隠れた働きと構成主義的情動理論』紀伊國屋書店(Amazon)
統計・因果推論
中室牧子、津川友介(2017)『「原因と結果」の経済学』ダイヤモンド社(Amazon)
星野匡郎、田中久稔、北川梨津(2023)『Rによる実証分析 (第2版)』(Amazon)
安井翔太(2022)『効果検証入門』技術評論社(Amazon)
Scott Cunningham(2023)『因果推論入門』技術評論社(Amazon)